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~次の日~
ウェイはナシュナのブリッジにいた。
アクティと違って禁術を使ったわけではなかったが、それと同じ位の負担が身体にかかっていて命は危なかった。
だが、持ち前の異常な回復力と担当したソフィーティアのおかげでほぼ全快していた。
ブリッジにはリオンをはじめバルシナ軍のブリッジクルーとマキスバ。
戦いに携わった夜叉、阿修羅、ソフィーティア、カサンドラ。
元バルシナ軍特殊部隊員であるオレン、ヴェグナ。
そして、家来達を先に帰して別れの挨拶をしにきていたアルカリスとミーシアがいた。
「デハ、世話になったナ。私達はこれで失礼スル。」
「もう行くのか?アクティが顔を出すまで待っててやれば良いだろ。」
「イヤ、イイ。別れの挨拶はもうしてキタ。それに話した通り、向こうデやる事ガ沢山あるからナ。」
アルカリスが視線を送ると、隣にいたミーシアは小さくうなずいた。
「はい、お姉様。キファの生態系は私のせいで崩れてしまいました。その影響は少なからず必ず人間界に現れます。それを最小限に抑えねばなりませんから。」
「そうか・・・。だが、俺も関わってるのに本当に手伝いに行かなくていいのか?」
正直、キファでほとんどの国を落としたのはアテム、つまりウェイだ。
記憶がなかった事とはいえウェイはかなりの責任を感じていて、2~3日まえにも同じ事を聞いたが、その時と同じようにミーシアは首を横に振った。
「知っていると思いますが、キファは人間にはいるだけ負担がかかります。キファのことは召喚獣の私達におまかせ下さい。」
キファの住人が任せろというのだから、ウェイに言えることはもう何もない。
納得したように小さく頷いた。
「キット、前よりも良い場所にしてみせル。楽しみ二していロ。」
「あぁ。」
「ではこれで・・・。」
ミーシアとアルカリスは深く頭を下げるとブリッジの出口に向かって歩いていき、外にいたバルシナ軍の部隊員の案内でTM室へと歩いて行った。
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