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「アンタがそれを言うか?」
「なに?」
緊迫した空気のなか、少し不機嫌そうにカサンドラが口を開いた。
「自分は他人や大切な人のために命をかけても良いのに、その逆は駄目なんてわがままが通ると思ってるのかって言ってんのよ。」
「な・・・。」
「お前は確かに強い。だがそのせいで、弱かった時の、自分より弱い者の気持ちを考えるのを忘れてはいないか?」
「うっ・・・。」
「そうだそうだ!このアホ!マヌケ!ロクデナシの穀潰し!」
「もう良い。」
カサンドラに続いて夜叉、阿修羅がウェイにキツい言葉を送ったが、ここぞとばかりに悪口を言いまくる阿修羅を夜叉は取り押さえた。
カサンドラと夜叉に言われてようやく気が付いたウェイが俯いて黙っていると、ソフィーティアが後ろからアクティの肩を掴んだ。
「ほらウェイ、謝りなさい。このままだと本当にアクティはどこかに行ってしまうわよ?」
「・・・・。」
ウェイはソフィーティアに言われて頭をかき、気まずそうにしながらもアクティの方を向いて頭を下げた。
「すまなかった。」
アクティは声を出さなかったが、首と手を横に振って全身で気持ちを伝えた。
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