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「髪が・・・。」
アクティのうす茶色だった髪の色は、色素が抜けてしまったように真っ白になっていた。
コレもフェニシゼイションによる副作用だった。
アクティはすぐに頭を手で覆う。
「見ないで・・・。」
弱々しく震える声で小さく呟きながら。
誰もが驚きで声が出せないでいる。
しかしそんな中、ウェイだけはまるで驚く様子もなくアクティが頭を覆ってしまった震える腕を優しく取り去り、ジッとアクティを見つめた。
「・・・・。」
「・・・ウェイく・・・・。」
瞳に涙を浮かべて今にも泣きだしそうなアクティに対して、ウェイはいつものように優しく微笑んだ。
「真っ白だな・・・まるで雪みたいだ。綺麗だぞ、アクティ。」
髪をそっと触れてそのまま頭に手を回すと、ウェイはアクティの存在を確かめるように優しくしっかりと抱きしめた。
「ただいまアクティ・・・もうどこにも行かない。もう離さない。ずっとお前のそばにいるよ・・・絶対に、だ。」
「ウェイ・・・くん・・・うっ・・・うぅぅっ・・・。」
アクティは泣いた。
人目も憚らず身も心も全てを委ねて、3年振りの確かな温もりを感じながら。
その2人の姿にマイやルイは嬉し泣きをし、ロザリア達は微笑んでいた。
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