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天高く放られた銀色の物体は、ほんの一瞬男たちの目を射止めた。
――ダンッ!!
――ドンドンドンッ!!
テーブルを蹴って宙を舞い、左手を引き抜きざま発砲する。
手を撃ち抜かれ銃を床に転がす。数瞬送れて響く客の声。
そのすべてが、私の藍色の瞳にゆっくりとスローモーションとして映る。まるで映画のワンシーン。
ダンッ! と床に着地し、そのまま床を蹴り入り口へ駆け抜ける。背後から2、3発の銃声が、耳にからみつく。
ギアに飛び乗り、アクセルを全開に回した!
「アンヘル!!」
――ゥオォン!
――ギャキャギャギャ!!
タイヤが悲鳴をあげ、エンジンが唸り、砂を巻き上げて街道を爆走し始める!
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