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サイドミラーをちらりと見ると、撃ち漏らしたり運良く軽傷だった奴が、二台のギアに二人ずつ乗って追いかけてくる。見た目からして、「レプリカ」なのは確かなようだが。
私の白銀の銃身が、ギアのタイヤを狙って後方を睨みつける。威嚇のために放たれた男たちの弾など、当たる気配すらない。……下手くそ共め。
――ドンッ!!
ばんっ、というでかい風船が割れた音がして、片方の奴の前輪が撃たれ、車体が悲鳴をあげる。バランスを保とうとしたのが裏目に出て、隣の奴を巻き込んでどおんと派手な花火をあげた。
「……臭い花火だな」
ガシャンと車体横のホルダーに銃をしまうと、すっかり色褪せたマントのフードを目深くかぶり、銀のゴーグルをつける。
もうすぐ、ひと雨きそうだ。
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