☆苦労してるんです☆

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  今までのサイの態度を見ていれば驚くのも無理ないだろう。 何せ俺もビックリしてる。笑 『人』を『気遣う』ということなんか知っててたまるかっ!な態度ばかりとるヤツが、自分以外の…しかもついさっき拉致ったヤツに何かをやるなんて。 ロ「…どういう風の吹きまわしだ?お前が人に気遣うとか…、何か変なもんでも拾って食ったか?」 サ「殴られたいんですか?お望みとあらば、東京湾に沈めてさしあげますよ?」 揶揄い気味にコソッと耳打ちすれば、不気味で恐ろしい返答が返ってきた。 ロ「冗談だって。でもマジで何で?」 サ「…ただの気まぐれですよ」 僕にだってそういう気分の時くらいありますよ、とそっぽを向かれてしまえば、へぇと頷くほかない。 本当にただの気まぐれか、あるいは叶琉を気に入ったか…。 どちらにせよ、珍しいことに変わりはない。 面白いからもう一度揶揄ってやろうと口を開いたが、叶琉に先を越されてしまった。 あ、揶揄うのを先越されたんじゃなく、話すのをってことな。 叶「あ…あのっ、サイさん」 サ「は?何ですか?」 叶「え…えと…その、あ…ありがとう、ござい…ます!」 何だかビクビクといっぱいいっぱいです!ってな感じで礼を言う叶琉。 おいおい、サイ相手にそんな怯えんでもいいだろう。 対するサイは少し叶琉を見つめた後、ほんのついでですから、とまたそっぽを向いていた。 その時微かにサイの耳が赤くなっていたように見えたのは、気のせいじゃないだろう。 ぶはっ、サイがテレてやがる! 久々に見たぜっ。 ロ「ナイスだ叶琉」 叶「えっ…えっ?」 笑いながら叶琉の頭をポンポン叩いたら、サイがギロリと睨んできた。 おーコワ。 つか、なーんか微笑ましいじゃねぇの。 ロ「ところでサイ、俺の分は?」 サ「は?あるわけないでしょう」 ………泣けるぜ。  
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