☆苦労してるんです☆

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  叩かれた場所を撫でながらオレンジだと答えたら、ですよね!と上機嫌にレジへ走って行った。 水色も捨て難かったが、何かポヤンとふわふわしてそうなとこがオレンジっぽいからな、叶琉は。 ささっと会計を済ませて帰ってきたサイが、ラッピングされた小袋を叶琉に渡した。 マジでどうしたお前。 珍しいにも程があるぞ。 サ「はい、コレ!」 叶「う…えっ、あのっ…」 ロ「貰ってやれよ。サイがお前に買ったんだからよ」 オロオロと戸惑う叶琉に笑顔でそう促してやれば、渋々と小袋を受け取った。 叶「あの、サイさんっ、あ…ありがとうございます!」 サ「ふ…ふんっ、大切にしてくださいよねっ」 叶「はいっ、大切にします!」 なんだろな……ものすっごく和むわ、コイツら。 ロ「あー…仲良くしてるとこ悪いが、時間だサイ」 この和やかな雰囲気を壊すのには気が引けたが、時間なものは仕方がない。 不満タラタラ文句ブーブーと煩いサイは無視して叶琉に話し掛ける。 ロ「なぁ叶琉、海見に行こうぜ」 叶「海…ですか?」 ロ「おう、俺たち用事が出来ちまってな。だから最後に夕日が沈む瞬間でも見てお開きにしよーぜ?」 叶「僕は構いませんけど、ロウさんたち…お時間大丈夫ですか?」 ロ「ヘーキヘーキ、叶琉はいいヤツだなぁ。マジ弟に欲しい」 叶「へっ…えっ?」 サ「この変態オタクっ、叶琉から離れて下さい!」 叶琉の頭に頬擦りしていたら、サイが横っ腹に蹴りを入れてきた。 しかも跳び蹴り。 ロ「いってぇなっ、オイ!」 サ「この子に変態が移ったらどうするんですか」 ロ「んなわけあるか!」 サ「近付かないで下さい。さ、あんなの放っておいて行きましょう」 叶「うぇっ…あ、えぇ…っ?」 人をばい菌扱いしたまま、サイはうろたえる叶琉を連れて先に行ってしまった。 蹴られた衝撃でうずくまっていた俺は、ユラリと立ち上がり………クスリと笑った。 ロ「……マジ後で躾直さねぇとなぁ?」 俺がそう囁いた時、店員含め売店にいた客全員が動きを止め、顔を真っ青にしていたとか。  
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