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な、ななな、何故に貴方は触れてほしくないところへ一直線に突っ込んで来るんザマすか!!
聞き取らなくてよかったのに!
今すぐ記憶から消してくれていいですから!
恥ずかしすぎて、頭から湯気が出てますからっ。
癒「…なぁ、カナ」
叶「…ぁ…う…」
羞恥に声が出ず、もう金魚みたいに口をぱくぱくすることしか出来なくて。
癒多の顔が近いせいで、吐息が肌に触れて。
これ以上ないくらい優しい声に問われて。
平気でいられるわけが、拒めるわけがないじゃないですか。
叶「…や、です」
癒「っ……、…ホントに?」
叶「……は、い」
癒「…俺に、そばにいてほしいのか?」
羞恥で涙の滲む目をぎゅっと瞑り、僕はコクコクと何度も頷いた。
熱が出てるんじゃないかって思うくらい熱いから、たぶん顔も体も真っ赤っ赤だったと思う。
癒「……っとに、お前は…!」
癒多の苦しそうな声が聞こえたと思ったら、今度は正面から抱き締められた。
力は強いんだけど、さっきとはまた違ってスッゴい大事に、愛おしむような抱き締め方。
叶「ゆ…ゆっ…?」
癒「……カナ…、キスしていいか?」
叶「ふぇっ…えっ…!?」
ホワーーット!?
いやいやっ、いきなりそう申されましても!
僕には何て答えればいいのかわかりませんから!!
僕にこんな…こんな上級質問ムリですよ癒多さんっ!
…ムリ、なのに。
そんな……熱に浮かされたような色っぽい目で見つめないで。
癒「カナ…」
甘く蕩けたような声で名前を呼ばないで。
全身で僕を求めるような、そんな顔をされたら……
叶「して、ください……」
恥ずかしくても、こう言うしかなくなっちゃいますからね…?
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