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唇が触れる瞬間、癒多が微笑んだ気がした。
叶「ん…」
優しく触れてきた少しかわいた癒多の唇は、僕の唇を啄み、何度も角度を変え、少しずつ深いものにしていく。
思えば、癒多とのキスは回数で言えばこれで3回目だっけ。
1回目のキスは思考回路がショートしてて、2回目はポカンとしてる?時だったっけ?
ていうか、同じ日に連続でされたんだからアレは両方合わせて1回目として数えて、今日のが2回目ってことでもいいのかな?あれ?
叶「…ふぁ…んっ」
でぃっすいずざかなぁぁぁああるぅぅううう!!!
はいっ、意識飛ばしてたところにいきなりでぃーぷなキッスをかまされて変な声出ましたサーセンッ!!
どぁって(だって)油断してたところにぬるって来たんだよ!?
ぼかぁまだ接吻初心者なんだ!
変な声なんていくらでも出るっちゅーの!!!
叶「…ぁっ…ん…ふぅ」
でも、声が出るのも仕方ないと思う。
他の人としたことなんかないからわかんないけど、癒多のキスは気持ちいい。
舌同士を絡められたり歯茎をなぞられたりしてると、頭がぼーっとしてくるし体から力が抜けてくる。
唇がぴったりくっついてるから、息継ぎもままならないし。
しかもヤバイ…、足に力はいんない。
叶「…んぁ…っ…」
癒「…っぶね」
かくんっと膝が折れてしまった僕を、腰に回っていた癒多の腕が力強く抱き止めてくれた。
そしてもう片方の手で僕の両腕を自分の首に回す。
癒「…つかまっとけ」
そう言って、すぐまた僕の口を塞ぐ癒多。
再開される甘い口付けに何も考えられなくなりつつ、必死に癒多の首に回した腕に力を入れる。
そうすれば、僕の頭と腰に回った腕にもよりいっそう力がこめられる。
おかげでこれ以上ないってくらいに密着する僕たち。
角度が変わる度に鳴るくちゅりという濡れた音が鼓膜を刺激して、あまりの羞恥に生理的な涙が瞳に溜まる。
叶「…んは…ぁ、ゆ…たぁ…」
名前を呼べば、応えるかのように激しくなるキス。
違います違いますっ、ねだったんじゃなくて息継ぎがしたいんです!!!
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