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上手く息継ぎが出来ず意識が飛びそうになった頃、唇が離れた。
叶「ふ、はぁ…」
僕はやっと肺に空気を送ることが出来て、意識を失うという失態をおかすことは回避された。
癒多は忙しなく息をする僕の顔中にキスを落とす。
そして唇が僕の耳辺りにおりてきたところで、癒多の動きが止まった。
叶「ぅ…、癒多?」
癒「…消えてる」
叶「え?」
じぃぃーっと穴が開くんじゃないかってほど僕の首筋を見つめていたと思ったら、ぽつりと何か呟いた。
消えてる?何が?
ホワット?
頭にハテナを飛び散らしていたら、クイっと服を肩口までずらされた。
叶「えっ、ちょっ…癒多っ?」
癒多の行動が意味不明すぎてあたふたしてると、いつかされたみたいに鎖骨辺りを強く吸われた。
叶「んっ…」
癒「…俺のって、印」
しるし?
――……おぁぁあああ!!!
なんか、何されたかわかりました!!
ま、ままま、またアアアレをお付けになられたのですね!?
鏡を見るたびに僕が真っ赤になってしまったアレを!!
やっと消えてくれたと思ったのに、またお付けになられたのですね!!
体育の時とか人に見られない様、トイレで着替えなきゃいけないという苦労の原因であるアレを!!
消えてしまったからと、またお付けになられたのですね!!(←3回目)
迷惑かつ恥ずかしいんじゃバッキャロォォオオオ!!!!
人の苦労も考えやがれバカちんがぁぁああ!!
―…ああっ、声に出して言いたい!
言いたいのに、なのに何で僕はチキンなんだぁぁ!!!
チクショォォオオ!!!(泣)
癒多の腕の中で硬直しながら、脳内でめちゃくちゃ嘆く僕。
けどそんなことに気付くはずもない癒多が、何やら真剣な表情で僕を見た。
癒「…もう一度言う」
叶「ふぇ?」
癒「一生、俺のモノでいろ、叶琉」
叶「…っ!」
また明日からトイレで着替えかとか、恥ずかしいなとか、印付けるのやめてほしいなとか、考えてたことがみんな吹っ飛んだ。
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