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女の子はありがとう、と言ってすぐ近くに停めてあったらしい自転車を取り僕の前まで戻ってきた。
駐輪場の入り口にいるんだから僕のとこに来るのは当たり前なんだけどね。
女の子は目の前を通り過ぎる時にニコッと僕に笑ってから、自転車に乗って帰って行った(帰ったのかどうかは知らないけど)。
しかし。
やっぱり女の子って可愛いなぁ。
癒多も何で『ザ☆平凡』な僕なんかを選んでくれたんだろう?
今の子やさっき一緒にいたような子の方がずっと可愛いのに。
…そういえば、何で僕なんかを好きになってくれたのか聞いたことない。
めちゃくちゃ嬉しいけど、告白されるまで存在は知ってても会ったことすらなかったのに。
いったい、いつから…?
癒「…カナ?どうした、難しい顔して」
叶「…え?…あ、その…」
癒多がいつから僕に惚れてたのか気になって仕方ないんだZE☆
だから教えてちょんまげ(テヘペロッ)
…なんて聞けるかぁぁあああ!!
恥ずかし過ぎるし、なんつぅ上から目線の言葉だ!!
僕何様なわけ!?
くそぅ、まださっきのテンション?が抜けきってないみたいだ。
そろそろ正気に戻らんかい僕!
叶「さ、さっきの女の子は誰だったのかなーとか思ったりなんかしちゃったりして!」
癒「……」
…不味った。
己の恥ずかしい疑問を打ち消すべく違う話題をと考えた矢先、何故か勝手に口からそんな言葉が出ていた。
癒多さん、なんか黙っちゃったんですけど!
今日ばかりは自分の考えなしで余計なことしか浮かばないバカな頭を呪った。
いや、いつも呪ってますけど!
とにかくどうしよう。
冷や汗がハンパなっしんぐ!
癒「…あいつは、…知り合いの知り合いっつーのか?」
叶「……へ?」
癒「…まぁ、顔見知り程度の仲だな」
叶「そ、なんですか…」
知り合いの知り合い。
そして顔見知り。
それを聞いて、知らないうちにつめていた息を吐き出した。
と、同時にどっと安堵感も押し寄せた。
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