5人が本棚に入れています
本棚に追加
中に入ると、白を基調とした内装に、高級そうなインテリア、テーブルセット。雑誌に取り上げられるだけあって、すごく素敵。
「いらっしゃいませ。2名様でよろしいですか」
30代後半と思われるウエイターに尋ねられ、彼が軽く頷く。それを確認し案内されたテーブルに着く。
わ、椅子引いてくれた。
内心ドキドキしながら、冷静を装って椅子に掛ける。
彼の前では冷静な自分でいたいのだ。
「ワインも頼んでいい?」
メニューを見ながら彼が尋ねてくる。
「どうぞ。お付き合い出来ないのが残念ですけど」
私の答えに彼は首を振った。
「謝るのは俺の方だよ。いつも運転任せてごめんね」
本気でそう思ってるのかはかなり疑問だけれど。
「藤原さんのお酒好きは今に始まった事では無いでしょう?」
彼はその言葉に笑う。本当に楽しそう。
ウエイターに私の分のラザニアと彼の分のグラタン、赤ワインを頼んでしばらく話す。仕事の事や、プライベートの事。
「あのプロジェクトね。年齢的に課長がリーダーになったけど、あの課長には無理だと思うな」
なんて、社内では言えないような事まで話してくれた。
最初のコメントを投稿しよう!