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西の空が夕焼けに染まり始める夕刻。
人通りの少ない狭い路地を商店街にむかって、1人の男の子が歩いていた。
名はレイヤ、歳は七歳。今、友達と遊んでいた公園から帰るところだ。
夕食前の商店街はたくさんの人で賑わっている。
買い物をしている主婦に、学校帰りの学生。そんな人混みの中、一人の男が何かを探すかのように辺りを見回していた。
ただ、彼の瞳は不気味な赤い十字となっており、左右非対象にせわしなく動いていた。
レイヤは商店街にでた。
そして、あの男の前を通り過ぎ、違う路地へと入って行く。
「また一人見つけたぜ……『魔巣の者』」
男はそう呟き、レイヤの後に続いて路地に向かった。
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