傷付きたくなかった

3/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
その日は酷く寒かったのだろう まるで私と外界を断ち切るように 温度差を示す水滴が敷き詰められ 窓の外側はそれがすっかり凍っていた 窓を開けるのも億劫で ただ車内の天井を見上げて 消えていく鼓動を静かに、哀れんでいた ―哀れ売春婦の最期の時―  
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!