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ガッシャーン!!
――…
またか…あれから丁度二年目
魔力は上がらずにこの日を迎えてしまった。
父と呼んだひとは嫌なものを見るようにシェルを嘲笑いながら睨み、優しく、優雅な母だったひとは俺とシェラリアがいるのを見つけるとヒステリックに叫び、シェラリアからシェルを遠ざけていった。
「シェル!シェラリアに近づかないでぇ!!」
母がてに持っていたティーセットは床に落ちせとものが割れた。
「叩きつけ!!(デルディオラ!!)」
魔法の使えないシェルに叩きつけの魔法を放ち、シェルは床におもいっきり叩きつけられた。
「ぐっ…う゛ぁ!!」
シェラリアは母の服を引っ張って泣き叫びながら訴えた。
「やめてお母様!!お兄ちゃんが…お兄ちゃんを傷付けないでぇ…」
しかしシェラリアのその行為は母を煽るだけだった。
「どうして?シェラリア…シェルは私たちの可愛い可愛い貴女に近づいたのよ?あはははは…こんな子の一人や二人、どうなったっていいじゃない…」
狂っていた。
母と呼んだひとは最初こそシェルを庇っていたが…父に幾度となく見つかり、罰せられていくうちにとうとう自分を見失ってしまった。
『貴方がいるから…わたしはこんなことになってしまったのよ?…シェル』
――バンッ!!
「エイデン!!」
騒ぎに駆けつけた父は母を止めてシェルに目を向けた
「シェル…もぅうんざりだ…オマエノセイデ…シェラリア、「フェイドアウト」」
「!シェラリアに何をしたんだ!!」
「お前が死にやすいようにお前についての記憶を全部消した。」
「早く死んで!!この落ちこぼれ!!貴方は私の子供なんかじゃないわ!!」
「あぁエイデン、その通りだよ…一緒にこの落ちこぼれをこの世から外そう!!」
「もちろんよ…ウィット」
シェルは願った。
力がほしいと…
魔力がないだけでこんなにも惨めならば…いっそのこと…
『…てやるよ』
え?
今…声が…
『お前の魔力を返してやるよ』
今度ははっきりと聞こえた。
――オマエノマリョクヲカエシテヤルヨ…
その瞬間に破滅魔法がシェルを襲い、呑み込まれる直前に何処かに飛ばされた――…
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