銀土

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ただただ、翻弄されていた時に〝最後〟... 決して聞きたくなかったし、言いたくなかった言葉…。 「ははっ…ごめん。っあ…はぁ…1回ぐらい…トシから、キス…してもらっ、たかった…かな??」 この男はどこまで貪欲なんだ。 普段はそんな素振りを見せなかったのに... 俺からしようとすると、嫌がって逃げていたのに... 「ったくよぉ!!なら、なんで逃げた?普通に待っとけよな」 涙声を押さえようと努めたが、意味が無かった。 言い終わった後には堪える気力がない… 「だっ、…恥ずかし…かった、もん」 いつもおちゃらけて、恥なんざ無いと思ってた。 積極的な方だったし、全部見透かされてそうで… 俺のほうがハズかった。 「ったく、可愛い…ヤツめっ」 「…トシ??」 「…っく、ふっ…うっ」 情けない声が自分の口から洩れる… こいつの前じゃ泣かないって、決めたのに…
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