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布団をガバリ! 跳ね上げると目を覚ました。
キョロキョロ、〝少年〟は首を振りながら辺りを見回している。
「……え?」
それは極々、普通過ぎるくらい普通なアパート。
テレビがあり、蒲団が敷かれ、本棚が置かれている本当に極普通なアパートの一室である。
だが然し、普通である事自体はこの際関係は無い。
〝少年〟が部屋を見て驚いたのは決して普通の部屋を見てではなく……
「此処は、何処ですか?」
自分の知らない部屋へと寝かされていた事実に……だった。
整理整頓はされている、だけどそれだけでしかない見覚えの無い部屋、訳が解らない〝少年〟は自身に何が起きたのか、全く理解が及ばずふと下を見遣る。
「へ?」
真っ平らだ……今着ている服も然る事ながら、胸元が真っ平らなのだ。
「な、何? なに? 何なの? え、そういえば声が変……?」
ペタペタと真っ平らな胸を触りながら声を出すと、今度は聞き覚えの全く無い声に戸惑う。
自分の声はもっと高い、それに慎ましやかだとはいっても、自分の胸は真っ平らではなかった筈。
何故なら〝少年〟は……
「これ、腰の辺りに違和感が?」
下半身を隠していた布団を退けて驚愕する。
「ふえ!?」
プルプルと手を震わせながら、〝少年〟がソ~ッとソレに触れてみるとビクッとすぐに引っ込めた。
「な、な、な、な……!」
顔を真っ赤に染めつつ、見覚えの無い青いズボンを思い切って下げる。
ビクンビクンと脈打つかの如く元気に勃ち上がり、自己主張をする〝少年〟の下半身に付いてた〝モノ〟に注視した。
根元に根差した黒いモジャモジャとした毛、其処から生えた棒と袋。
棒の先に〝少年〟の知識の及ばない形をした赤黒いナニか、だけど大雑把にではあったが知識が無い訳でもなかった。
何よりも、本来なら識らぬ筈のソレに関する知識が引き出せる。
「は、は、排泄と……こ、子作り……の為の?」
そんな知識を引き出した途端、頭の中に浮かび上がったのは〝子作り〟シーンであり、遂には……
「キャァァァァァァァァァァァァァァァァアアッ!」
絶叫してしまった。
そう、何故なら少年は……否、意識の上で云うのならば……
「ど、ど、どうして!? どうして〝女の子〟の私の腰に……こ、こんな不埒なモノが!?」
〝少年〟が実は〝少女〟だったのだから。
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