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「陽太君?」
ハッとして振り返ると、お祖母ちゃんは笑っていた。
ふふふっと。
「ごめんな…ごめん!」
すぐさま向き直り、良さそうな皿と茶碗を2つずつ取り出し、コンロの隣に置いた。
「ありがとう。じゃあ次はあれでテーブルを拭いてきてくれないかい?」
あれ。と指された白い布巾を持ち、机を拭きに台所を出た。
お祖母ちゃんの家のテーブルは大人6人は座れるくらいの大きさで、お祖母ちゃん1人で使うには大きすぎるくらいだ。
と、布巾を滑らせながら思う。
そういえば、この家は何もかもが大きい。
風呂も台所もこの家も…。
こんな広い家に一人で暮らしているお祖母ちゃんを思うと、胸が少し痛んだ。
ガラッとガラス戸が開き、終わったかい?と、お祖母ちゃんが顔をのぞかせてきた。
「あ…うん、終わったよ。」
本当はまだ半分しか拭けていなかったけど、頷いておいた。
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