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お祖母ちゃんの作った料理を盛った皿を並べ、二人で手を合わせた。
「いただきます。」
俺がそういうと、お祖母ちゃんは
はい、どうぞと微笑んだ。
その顔があんまりにも嬉しそうで、つられて上がりそうになった口角を隠すように、ご飯を口の中へ掻き込んだ。
「今日から学校だね。」
ずずずっとみそ汁を口に運びながら、のんびりとした調子でそう言った。
「…うん。」
ポリポリとたくわんの音が静かな食卓に響く。
気まずく感じない沈黙がなんだか不思議な感じだ。
「制服は和室に掛かってるからね。」
「う…、え?」
制服?
俺が首を傾げると、お祖母ちゃんはうふふっと笑うと
「あと一年は通うんだから、制服はその学校のものがいいでしょう?」
そう言ってくれた。
「あ…ありがとう、お祖母ちゃん。」
今度は上がった口角を隠さなかった。
お祖母ちゃんはまた嬉しそうに笑うと、早く食事食べちゃいましょうね。と促した。
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