太陽みたいなやつ

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「雫!」 ドアの前にしゃがみ込む雫に駆け寄るが反応がない。 ぼうっとした目でどこかを見ていた。 ドアの奥から誰かの泣き声がする。 「し…ずく?」 笑いも泣きもしない彼女に俺は戸惑った。こんなにも無表情な彼女を俺は初めて見た。 だから、俺は彼女の手を握ることしかできなかった。 するといきなり部屋のドアが開いた。 開いたのは母さんだった。ドアの前にしゃがみ込む俺たちを見て一瞬驚いた顔をしたが、俺と目が合うとゆっくりと首を横に振った。 すぐには意味が理解できなくて、視線をさまよわせると部屋の奥で泣き崩れているおじさんが見えた。 そして次に部屋のプレートを見た瞬間、体がこわばるのがわかった。 「嘘…だろ?」 出した声は思ったよりも弱々しくて、情けなく廊下に響く。 雫の大きすぎる異変 母さんが伝えたかったこと 泣き崩れているおじさん この部屋の名前 全てが繋がって欲しくないものに真っ直ぐに伸びていく。 救いを求めるかのように母さんに視線を向けるが、視線が会うことはなかった。 そして数日後、おばさんの通夜が執り行われた。
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