太陽みたいなやつ

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ーーーお前、大丈夫か?」 頭上からの声にびっくりして顔を上げると、キラキラと陽の光に透けるくらいの金髪が目に飛び込んできた。 「ウチの制服だけどあんた見慣れない顔だな」 その次は耳についた重そうなピアス。 「転校生か?」 うおっ、眉毛のところにもある。痛くないのか? 「聞いてんの?」 「ん?あ、あぁ、そう。今日から通い始めるんだ。よろしく」 一つ低くなった声に我に返り、そう返すと金髪ピアスはにかっと笑ってよろしく??と握手してきた。 外見とは違って友好的な奴なんだな。 「で、ここでなにしてたんだ?」 「いや、道に迷って...。周りにそれらしき生徒もいなくてさ...」 一人ぐらい通ってもいいと思うのに全く出会わなかったのは不思議でしょうがない。 「あぁ、ウチはほとんどの生徒がバス通学だから歩いて学校まで来るやつなんていねぇよ」 確かに、駅からばあちゃんの家までバスに揺られていたのを思い出す。
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