私の足跡は2本線

再会

「どうしてここにいるの？」

『うん、実家に戻っても人間関係がうまくいかなくて…実は名古屋にいるときに、ここに来ることも考えてパンフレットもらってた。
驚かせたくて内緒にしてたんだ。』

「あの、娘さんは？」

『里子に出した。でも里親さんが凄くいい人で、定期的にここに娘連れて来てくれるの。』

「退院したあと、辛い思いしたんだね…お兄さんとお兄さんのお嫁さん、面倒見るって言ってたような気がしたんだけど。」

この時まさか、二年後実家に戻った私に同じような…
いやそれ以上のとんでもない事が起きるとも知らず、Ａさんの身の上を気の毒に思っていた。

今思うと、娘さんに会える彼女が羨ましい限りだ。
一体何があったのかは、後の話。

寮生活することになったのだが、偶然にもその彼女と私は同じお部屋になった。