再会

2/3
650人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
一緒にいた時間がなんだかよく分からないまま、三日間いた母は、実家の長野県へ嵐のように帰っていった。 とうとう、知らない土地に私は一人ぼっちになった。 でも、なぜか寂しいと思わなかった。 きっと、六年東京で一人暮らしした事があったからだろうか… あ、そうそう! 凄いサプライズが待っていた。 なんとなんと、 名古屋の病院で同じ部屋に四ヶ月、同じ頸損で入院していたAさんが私より一ヶ月先に、同じリハビリ施設に入所していたのだ。 彼女は、私より重症の頸損の人だった。 幼い娘を一人で育てて生活している時に、職場の工場で頭から落下し頸を折ってしまったらしい。 「退院後はお兄さんの家に、娘さんと一緒に住むんだ」って、病室でいつも嬉しそうに話していた。 だから、まさかの再会にビックリしてしまった。 涙がとまらなかった…
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!