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部屋を出た貴史は直ぐさま清美に問い掛けた。
『なあ清美…』
『はい…』
『校長…キャラ変わったよな…』
『はい…』
二人はそれ以上会話する事なくそれぞれの教室へと帰って行った。
その日のホームルームで案の定貴史は体化祭とやらの実行委員長に任命された。
『え~皆様方の校長先生への密告のおかげで実行委員長に任命された矢田貴史です。』
貴史は皮肉いっぱいの挨拶をすると、
『では早速ですが副委員を私が独断で指名致します。』
この時両手で顔を隠し、こっそり教室を出て行く一人の女子生徒を貴史は見逃さなかった。
『では、大原麻衣子さん、挨拶をお願いします。』
クラス全員の視線が麻衣子に集まる…
『え?私…』
麻衣子は心の中で、
『仕返しキタァァァア!!』
と叫んだが、クラス全員の視線に堪えきれずに教壇の前に立ち、挨拶を行った。
『え~っと…今委員長の矢田貴史君に仕返しで指名された大原麻衣子です。皆には私を副委員にした事を後悔させてやるから覚悟しとけやコラアァァァア!!』
麻衣子の見事なまでの開き直りっぷりにクラス一同は驚愕した…もちろんその中には貴史の姿もあった。
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