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だから彼女は気付けなかった
迸る殺気 貫く 眼光 その視線に
感情に浸っていた彼女を映すのは
銀色のナイフ
物陰から飛び出したそいつは
慧音
「…っ!?」
慧音に向かって 一直線に 走った
彼女はただなにもできずに
自らの体を通り抜けていくナイフの刃を見送った
「まず一人」
<ブシャア>
◆
霊夢
「あなた…どういうつもり…?」
「…」
やつはなにもしゃべらない
やつの握る銀色のナイフに滴るのは
鮮血
霊夢は痛む腕を抑えやつから確実な距離をとる
切り口から溢れ出す 赤黒い 血
溢れた生き血は手首を伝い重力に従うまま 一滴一滴 地に垂れる
霊夢
「事情は知らないけど…ちょうどいいわ…少し聞きたいことがあるから…」
「だから大人しくしてもらうわよ… アリス!」
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