轟声は合図に

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風が 耳をかすめ 通り抜けていく 咲夜の体は無意識に横に受け身をとる形で倒れる その一連の動作は一瞬 諏訪子 「…あらら」 咲夜の鋭い眼光を向けるのは さっきと同じ 朗らかな笑顔の諏訪子 咲夜 「…やっぱり…っ」 刹那 咲夜は仕込んでいたナイフを一本手に取る 咲夜 「ーあなたがその血の…」 諏訪子 「何にもわかってないね なんにも」 咲夜 「わかって…ない…私が?」 諏訪子 「そうよ 現に私があなたを襲った理由 わからないでしょ」 咲夜 「…っ」 咲夜には 返す言葉がなかった 本当に意味がわからない この血も 諏訪子が手に持つ "光を放つ大険"も 咲夜 「…理由なんか知らない あなたが私を殺そうと言うなら…返り討ちにするまで」 諏訪子 「…あっはははは!ナイフ一本で…どうにか出来るなんて思ってんじゃないわよ!」 同時にハイジャンプ 諏訪子は空中で一気に咲夜に間合いを詰める 咲夜 (「時を止めればこんな…!?」) <ズガン> コンクリートの地面を砕く一撃 バックステップで回避しようと しかし咲夜は勢いでしりもちをつく 咲夜 (「これは…」) 諏訪子 「ここだとねぇ あなたが今使おうとした能力は使えないの わかったでしょ?今ので」 咲夜 「…わかってたのね…能力を使うことを…っ」 咲夜の冷たい汗は次第に額に留まらず 頬を伝う しりもちをついた無防備な咲夜に大険を向け見下ろしている諏訪子がいるのが現状況 笑顔は次第に崩れ 殺気の漏れる目で咲夜を見下ろす 殺しに一切の躊躇いのないことに今やっと気づく そして同時に今の状況の危険さを改めて知るのだ 咲夜 (ー「…死ぬわね」ー)
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