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目覚めるとそこは"灰色"だった
純粋な"灰色"ではなく "汚い灰色"
それは埃が部屋の隅や角に溜まりこけっている 故か心なしか部屋全体が暗く 湿っているようだった
見渡してみるが自分が座っているベッドが一つ それだけがある部屋
確かに 見覚えがなく 寝る前にここにいた記憶もない
『ここはどこだろう』
つい私は言葉を漏らす
頭に張り巡らせる可能性
紅魔館?神社?魔法の森?マヨヒガ?八雲家? その可能性も根拠もなしに自ら否定してしまう
自分でも心のどこかでわかっているから
ドアが見える 少し錆びた金属製のドアノブがついた 冷たいドア
まずはここから出ないと始まらない
私は静かに立ち上がった
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