60人が本棚に入れています
本棚に追加
にとり
「ハァ…ハァ…ここまで…来れば…しばらくは安全じゃないかな…」
だらしなく座り込むにとりと霊夢がいる場所
さっきの場所とはだいぶ離れた小さな建物の中
霊夢
「ハァ…あなた…私を殺さないの…?」
道中に霊夢が見たものは
錆びてボロボロになったなんとも読めない看板 縦に並ぶ 同じく建物
霊夢は勝手にここを商店街の跡地だと解釈して走ってきた
現在二人は跡地の露天と思われる建物群の一角に身を潜め 前述の会話を交わしたところだった
にとり
「…その様子だと…わかってないみたいだね」
霊夢
「私が…わかってない…?…そんなの当たり前じゃないのよ…」
にとり
「…」
霊夢のどこか倦怠感のある 絶望に近いその目を にとりはすぐ察した
しょうがないのだ
目覚めてからすぐ 親友に突然ナイフを向けられ
何もわからないまま鉛玉で体を貫かれ その場に赤く咲いた親友を背した
霊夢の 辛さ
にとりの心は霊夢のその 目 一つで
ズタズタに切り刻まれた そんな 気分だった
最初のコメントを投稿しよう!