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「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは…は……は……は…そうだ……あんたも殺さなくちゃね」
ぐるんと眼球だけがシンデレラの方を向く。
どんな感情がこもっているのかわからないほどに濁った瞳。
「お母様っ」
「さようなら。シンデレラ」
狂気に孕まれた目で、思考で、ゆっくりと、しかし確実に一歩一歩近づいてくる。
い、嫌!!!
まだ死にたくない
だって王子様と……
義母は包丁を振り上げ、シンデレラの喉に突き刺した。
「あはははははははははははははははははははははは」
シンデレラの喉から真っ赤な血が吹き出る。
綺麗な深紅の血が
やっと幸せになれると思ったのに……
やばい……もう力が…は、いらない……
死にたくない……のに
王子様愛してます
たった一言
ただそれだけ伝えたいのに
声が出ないや………
お……うじ…さ………ま……
こうしてシンデレラは短い一生を終えました。
最後まで王子様の事を思って
~END~
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