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今、俺と“神様”は、テーブルを挟んだ二つのソファーに向かい合って座っている。
「ほら、お茶をどうぞ」
「おぉ、わざわざすまんな」
そういうと、“神様”は、まだ入れたての熱いお茶を一気に飲もうとした。
「熱っ!」
案の定、犬みたいに舌を出しながら、手で扇いで風を当てている。火傷したみたいだ。
こう見てると、全然“神様”に見えないな。未だに少し信じられない。
「んで、さっき俺が死ぬとか言ってたが、何でだ?」
他にも、死んだらどうなんの? とか、地獄はあるの? 天国は? とか色々と聞きたい事があったが、取り敢えずこの事を聞くことにした。
「それはな……」
舌を引っ込め、少し真剣な表情になった。
「儂が神様なのは先程言ったが、あの世でな、俗にいう会議みたいのがあるんじゃ」
「……続けて」
「それでな、年に一度その会議でいらない人間を消すっていう行事みたいな物があってな。それにおぬしは選ばれたんじゃ」
あの世には物騒な行事があるんだな。そこで俺は少し気になっていた事を問う。
「何で俺が? 理由は?」
死ぬという宣告をされているのに、自分自身でも何故か驚く程に冷静だ。
多分、“神様”が言ってる事に、脳がついていってないんだろう。
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