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「いいから離れて服を着ろ」
後ろを向かないように両手で“神様”を押し退けた。“神様”がニヤニヤしているのは顔を見なくても分かる。
その後は、駄々こねる“神様”を説得し続けて、何とか袴を着させた。
“神様”を説得出来る俺って凄いな。
「さてと、承諾してくれるか?」
俺は、自分のベッドの上に座り、“神様”は床にあぐらをかいて座っている。
長い銀髪を人差し指でクリクリと弄りながら言ってきた。ここで拒否をしたらまた何かしらしでかすな。ここは大人しく聞いておこう。
「ああ、分かったよ」
俺の返事を聞くと、“神様”はとても満足そうに笑った。そして、それを狙ったかのように家の中にインターホン独特の音が鳴り響いた。
「はいはーい」
“神様”は立ち上がり、まるでどっかの母親みたいにパタパタと小走りで俺の部屋から出ていこうとしたので、慌てて止めた。
「何で止めるのじゃ!」
「お前が出るとややこしくなる。ちょっとここで待ってろ」
俺は、“神様”を静止させ、自分の部屋から出て、玄関に向かった。
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