人を助けろだと?

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 ドアを開けた先には、窓から部屋へと侵入した馬渕愛が窓際に立っていた。しかも土足で。どうやら俺は鍵を閉め忘れていたようだ。自分が嫌になる。  それよりも土足で入るとか人間性を疑いますね。よくこんなんで生徒会長になれたと思う。  俺がジーッと今まで外を歩いていた雑菌まみれの黒い革靴を見ていると、何を思ったのかとんでもない事を口にした。 「なんだ? 足ばっかり見て……もしかして優山は生足フェチなのか?」 「違うわアホ。今お前の足を守ってくれてる黒くて雑菌まみれの物を見てんだよ」  俺が目で下を見ろとジェスチャーすると、あっ、とした顔でいそいそと靴を脱いで窓の外に置いた。 「いやー悪い悪い、夢中だったもんで」 「人ん家に不法侵入する事に夢中だったのか。よし、警察いくか」  俺は馬渕の腕をギュッと掴んで玄関まで連れていこうとしたら、ぐっと踏ん張って抵抗してくる。  ついでに俺の手をバシバシ片手で叩いている。正直まったく痛くない。 「すまんすまんすまん! 本当すまん! 許してください!」  必死に謝りながら必死に抵抗してくる馬渕を見て、俺は掴んでいる手の力を少し抜いた。  すると、馬渕の表情はパァっと明るくなった。
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