人を助けろだと?

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 まぁその後は特に何もなく朝食を食べ終えた。俺の親が何か色々と話しかけてきたけどな。俺に気を使ってまで話してこなくていいよ、むかつくから。  もう髪直さなくていいや。学校いこう。 「あらっ? もう学校いくの?」 「……」  俺は無視して玄関に足を運ぶ。靴を履き、鞄を持って玄関の扉を開けて外に出る。いってらっしゃいと聞こえたが、んなの気にしねぇよ。  歩きながら空を見上げる。雲一つもない透き通った空だ。よく清々しい気持ちになるとか言うが、俺は全くならん。  学校に近づいてくる程、俺と同じ制服の奴らがちらほらと見える。  そいつらは俺を見ると、何かコソコソと話し始める。正直俺は周りからの評判が悪いからな。特に男子。どうやら俺の態度が気に入らないらしい。そんなの知らんがな。俺にとってはどうでもいいことだ。  そうこう考えていると、校門の目の前に着いた。俺の通っている観花高校は、マンモス高のせいか無駄にでかい。  一学年、五百人は越えている。何でこんな多いいのか分からん。  下駄箱の前に着いた。そこには一人の長髪黒髪の女が靴を閉まっている。そいつは俺に気付いた様だ。 「珍しく早いな。優山」  この女、馬渕 愛(まぶち まな)は俺と同じ一年のくせに生徒会会長を狙おうとしている生意気な高校一年生だ。頭も容姿も良く、俺と違って日に当たる人間。
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