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「何をいきなり警察に電話をしようとしてるんだ」
「いや、だってあんた不法侵入じゃん」
「この儂がか? ハッハッハ! 何を馬鹿な事を言ってるんだ」
馬鹿なのはお前の頭の方だろうが、しかし、どうしようか。携帯はぶっ壊れたし、外に出て誰かに通報してもらうしかないな。
思い立った矢先に、俺はすぐに行動に移した。部屋のドアを力一杯引くが開かない。押しても開かない。
……何で開かないんだよ!ドアが開かないなら窓から叫ぶしかないな。
俺は窓に鍵が掛かってないか確認した後に、思いっきり横に引いた。開かない……。開かないなら割るしかないな。
護身用にベットの下に隠してあった木刀を取り出し、窓に向かって投げつけた。
何となく分かっていたが、やはり割れない。
「どうなってんだよ……」
俺はボソッと呟いた。
「ハッハッハ! そんな事したって無駄だ。何しろこの儂が結界を張って空間を遮断しているのだからな」
結界? 空間を遮断? 結界ってあれか、あのアニメとかの空想の奴か。
「いや、あり得ないな」
「あり得なくない。何たって儂は“神様”だからな」
神様? 何かもう訳が分からなくなってきた。
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