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「んで、その“神様”とやらが俺に何の用でございますか?」
何かどうでもよくなってきたので、話を合わせる事にした。
「それはな……」
その“神様”? って奴が俺の両肩をグッと掴んできた。
「おぬしは、遅かれ早かれもうすぐ死ぬんじゃよ」
……はっ? 何だって? 死ぬ? 俺が? ますますあり得ないな。
「ぬっ? 何だその顔は! もしや信じてないな?」
「当たり前だろ。人が何時死ぬなんて予測出来る訳ないだろが」
「なら、これを見てもか?」
“神様”とやらが窓を開けた。
何で開くんだよ……。
「おぬし、あれを見ろ」
“神様”が指差した先には――何も見えない。
「何を見ろと?」
「あっ、忘れておった。人間の視力では到底見えないな。ほれ、これを使え」
渡されたのは、双眼鏡だった。どこから出したのか全く分からなかったが、双眼鏡を覗いて再び“神様”が指差した方を見た。
うわ、何これ、めっちゃ見えるんですけど。
「高いビルがあるのが分かるか?」
「ああ、見える」
確かに見える。しかし、この双眼鏡は凄いな。普通の奴じゃこんな遠くまで見えないぞ。
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