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「今からそのビルが、あと少し経ったら爆破で崩れる」
「はぁ?」
俺は思わず目を反らして、“神様”を見た。
「いいから黙って見ておれ!」
頭を鷲掴みにされて、無理矢理覗かされた。
てか痛い痛い、あんまり力を入れるな、頭が割れちまう。
「ぬっ……そろそろだ」
少し頭を掴む力が弱くなった。その途端に、耳に小さく何かの爆発音が聞こえた。
俺が今見ているビルは、物凄い黒煙が上空に立ち込めていて、燃え方が半端じゃなかった。たちまちビルが、砂煙を上げて下から崩れていったんだ。
おいおいおいおい、まじですか。
「さぁ、早くテレビをつけるんじゃ!」
「いや、俺の部屋テレビ無いし」
言うのが遅れたが、俺の部屋は全くと言っていいほど何もない。
あるのは、寝るためのベットがあるだけで、高校生の部屋とは思えない程に何もない。
「リビングにはテレビくらいあるだろう」
「あるけど、このドア開かねぇから行けません」
そうすると、“神様”がゆっくりとドアノブを握り、扉を開けた。
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