お伽話

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「アリス、アリス、アリス!思い出しておくれ!そしてまた、もう一度僕に…あの甘美な出来事を!」 何を言っているのか解らない 「イカレタ帽子屋、君はいつもアリスを殺してばかりだ」 まだ、にやにや笑いを浮かべている 「チェシャ猫だもの、当たり前よ」 ああ、そうか、チェシャ猫ってたしか、いつもにやにやしていたような… あれ?私、口に出してた? 「二十日鼠には統べて御見通しなのよ」 キセルから煙りを浮かべている、着物を着た金髪の女が言う 「ねえ、アリス?今回のアリスは…」 「「いつもより、鈍い(の)ね」」 「何時もアリスは真っ先に逃げるもの」 「恐怖に引き攣った顔を見ながら殺すのも、愉しいけどね」 双子が口を開く
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