第1章

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チチチチチ… チュンチュン 太陽が真上を照らす八月下旬。 味噌汁の良い香りが漂っていた。 「アヤ、もうすぐ出来るからタケル起こしてきな」 長いウェーブの髪を一つに纏めた女性が、味噌汁をかき混ぜながらストレートの長い髪の女の子に言った。 「はぁーい、ママっ」 ストレートの女の子は嬉しそうに笑顔で答えた。 「タケルちゃん呼んでくるから待っててね。マリアちゃん、マリーちゃん」 女の子はリビングにいるハムスター達に手を降って走り出す。 女の子は玄関を出て、隣の家に入る。 玄関から入った女の子は、迷うことなく二階へ駆け上がっていく。 パタパタパタ。 バタンっ!! 「タケルちゃんっ」 元気良く部屋の扉が開いて、女の子が入ってきた。 女の子は部屋に入ってきて、ベッドで寝ている俺を揺する。 「タケルちゃん起きて、タケルちゃんっ」 女の子の甘く、かん高い声が俺の脳裏に響く。 「後5分寝かせてくれ…綾香…」 俺はベッドの中に隠れるように潜り込む。 「もうご飯出来たよ。タケルちゃん」 俺は仕方無く、もそもそと起き上がった。 「~~~っっっ」 俺は頭を掻きながらベッドから立ち上がる。
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