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「はぁはぁはぁ・・・・・」
少年は走っていた。暗闇の中全速力で。
走れば走るほど周りに立っていた木は大きくなり、人気が消えていった。
しかし少年は気にする様子もなく、ただひたすらに走り続けた。
何故か疲れはしなかった。そのおかげで少年は全速力で走り続けることができた。
しかしどうしても自分が走り続けている理由を思い出すことができない。
それでも足は自然と動く。それはまるで誰かに誘導されているかのように。
だが、少年は止まろうとはしなかった。止まってはいけない気がした。
もちろんそれがどうしてかは分からない。
しかし自分は誘導されているかもしれない“そこ”に行かなければならない。
それだけは確信できた。
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