第1話:現実

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さらに周りの木が大きくなってきた。 先ほどまで覗く事のできた星空はもう見えない。見えるのは木の枝だけであった。 動くものも何もない。 果たしてこの先に何があるのだろうか? 果たして何かがあるのだろうか? そんな不安にも駆られる。 「はぁはぁはぁ・・・・・」 しかし少年はなおも走り続けた。 すると暗闇の先に一筋の光が見え始めた。 それは小さな小屋のようなものから漏れているようだ。 自分はここに向かっていた。 少年の中でその気持ちが確信として生まれていた。 少年はそのまま小屋に向かった。 もう誘導されている感覚はない。 自らそこに向かっているのだ。 「はぁはぁはぁ・・・・・」 少年は部屋の前で立ち止まった。 そしてドアをノックしようとした。すると、 グサッ、ガスッ 何かを刺す音がした。空耳だろうか? グサッ、ガスッ いや違う。空耳などではない。 それは確かに聞こえた。 少年は恐る恐る光の漏れる窓から、音の正体を確かめようと中を覗き込んだ。
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