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それはあまりにも現実から離れた光景だった。
少年は今この場所だけが世界から隔離されたような、そんな錯覚を覚えた。
しかしそれも束の間、少年はすぐに現実に引き戻されることになる。
がしゃんっ!
少年の足下で何かの音がした。割れたガラスの破片。それを少年の足が踏んでしまったのだ。
少年は慌てて窓をのぞき込んだ。
「っ!」
中の男がこっちを見ていた。
そして目があった。
「誰だ!!」
中から声が聞こえる。
気付かれた。
逃げなくては。
しかし体が動かない。
腰が持ち上がらない。
「そこにいるのは誰だ!」
声がだんだんと近づいてくる。
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