春太郎-01

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『ひゅっ』 耳元で風が吹く音がした。 まだ肌寒い風が通り過ぎて、咲いている桜の花びらをさらって行く。 今、季節は冬があけ春になった。 過ぎた冬には申し訳ないが、やっと暖かい〝春〟がやってきた。 「ふぅー」 軽く伸びをして座っていたベンチから立ち上がる。 春は俺の好きな季節だ。 鳥がなき、桜が咲き、自然が動きはじめる。 そして春には、〝出会い〟がある。
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