鈍痛

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「鈍痛」 深い ここはとてつもなく深い 嗚呼 僕はいつまでもこのまま 暗闇の中 一欠けらの思いを抱き 沈んでいく 一筋の光を見つけることさえできず 僕の無力は いつになれば 消えて欲しい ここは深淵 誰も僕を救いだせやしないのだ 思えば僕は 自分が何なのか 解ることさえ出来なかった 此処に 誘(いざな)った彼は誰? 深い 此処はとても深い どこまで僕は 過ちを繰り返し 人を縛りつける? 流れた紅い 紅い滴は このまま このまま 深く堕ちて 堕ちて逝けば ………………… 気付けば 紅く 染め上げられた 私は 紅い煙を噴き上げ 鈍い感覚 あぶくを吐き また沈む 嗚呼 このままいっそ いっそのこと消滅すれば 存在ごと消えて 僕と彼 彼は僕で彼は… 落下 浮遊感
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