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予想外に私はビックリ。
俊ちゃんが素直に手を出してくるとは思わなかった。
震える手が慎重に、俊ちゃんの手に触れた。
私の心臓が、みんなに聞こえてしまうんじゃないかってくらい、高鳴っている。
ただ…手が触れているだけなのに…。
傷口にティッシュをゆっくり当てていく。
血を拭き取ると、皮膚が少し剥けていて、酷い状態だった。
ティッシュを持っている手と逆の手の指先で、傷をソッとなぞる。
俊ちゃんの指先が少し動いた。
「あ…っごめん!」
我に返り、慌てて傷口から手を離す。
俊ちゃんは黙って自分の傷口を見ていた。
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