~お母さん~

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広い部屋は静けさが広がる。 「……俺らも帰るか…」 「んだね…」 俊ちゃんが居なくなった今、ここには居たらいけない。 俊ちゃんが帰るのを待つものいいけど、俊ちゃんはきっとそれは望んでない。 淳は無言で寝ている未衣を抱き上げ、私は未衣と自分の鞄を持ち、家を出た。 ……結局、空振りだったなあ。 お母さんとの関係も聞けなかったし…。 あげくの果てに、俊ちゃんは何処かに行っちゃうし…。 ま…っいつか…いつか聞こう。 そう…いつか。 ────…… “手続きをしないと!” この時…気に止めてればよかったんだ───。 そうすれば…私達の運命は変わっていたのかな…? それとも…運命だったのかな?  
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