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確かあの時は…
校内で迷って…携帯を忘れて…水道の隣りでしゃがみながら、俯いて居たら──
「───おい」
俊ちゃんの声はしなかったけど…足音が聞こえて…って……
聞き覚えのある声が私の頭上からした。
幻聴かと思いも、顔を上げると
息を切らしていて、
汗が額から頬にかけて伝っていて、
私を見つめている、
“俊ちゃん”が居た──。
幻覚だと思い、目を擦るが、はっきりと俊ちゃんの姿が見える。
……本物?
口をポカンと開けながら、俊ちゃんを見つめていると、俊ちゃんが深いため息をついた。
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