~再会~

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あの…不良が俊ちゃん? まさか…ただ、同じ名前だけだよね。 俊ちゃんはもっと…優しくて… そんなの有り得ない。 「あ、あの…奥多川俊君の…今の住所とか…わかりますか…?えっと…私、知り合いなんです…」 声が震える。 先生は素直に『あぁ、あるよ。でも見せたことは内緒な』と呟き、自分の机へと向かって歩いて行った。 私は自分の両手のひらを見る。 寒くもないのに、フルフルと小刻みに震えている。 なんだ…。俊ちゃんはこの学校にいて、さっき会えたんだから…あとは、あの約束を覚えてるかを聞くだけでしょ? よかったんじゃん。 よかった…のに… なんで、体は動揺してるの? 俊ちゃんが不良になっちゃったから? みんなに恐れられてるから? あんなに……冷たい瞳をしてたから─…? ううん。多分… 今の全部に動揺してるんだ。  
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