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「はい。名簿」
先生が私に名簿を渡した。
私はおそるおそる奥多川俊の名前を探す。
…あった。
「───…っ」
手が無意識に握り締めていた。
少し汗ばんでいる。
違う…住所だ。
ホッとした。
私はテーブルに名簿を置いた。
先生も目の前のイスに座る。
「奥多川は今1人暮しをしているんだ。前の住所は…えっと…」
1人暮し?
まさか……
また心臓の鼓動が早くなる。
「あった」
先生が名簿を指差す。
指を差した先を見てみると…
“俊ちゃん”の住所が書かれてあった。
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