プロローグ

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「あっチョーク…」 男の子は折れたチョークの欠片を拾い、女の子に差し出す。 それに対し、女の子は受け取らないで俯いてる。 心配した男の子は女の子の顔を覗き込む。 「ウッ……ふぇぇん…っ!」 ポタポタと雨のように地面に黒い染みが出来る。 女の子は声を上げて泣いていた。 訳がわからない男の子は焦りながらも、女の子の頭を撫でている。 「るいちゃん?どこかいたい?」 「ちがうぅ…。あのねっあのねっ…、とおいいところは…このまちじゃないから……もう…、しゅんちゃんと…あそべないの……」 「え………」 撫でていた手を止める男の子。 それとともに男の子が持っていたチョークが地面に落ちた。  
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