~再会~

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未衣、ありがとうね。 でも、私もいきなり『俊ちゃん』って呼んで、変に思われるのも仕方がないよね。 深く反省…。 「お前…さっきの迷子女じゃん」 俊ちゃんが無表情だけど、思い出したように私に向かって言った。 覚えててくれたんだ…。 じゃあ…昔の私のことは─…? 「さっきは…ありがとう…です」 何故か敬語になってしまった。 言いたいけど、タイミングがわかんない。 『私のこと、覚えてる?』 なんていきなり言われてもビックリするだけだよね。 でも…言わなきゃ……。 喉まで言葉が来てるのに、こんなにも近くにいるのに…言えない─…。 私が俯いてると俊ちゃんは私を睨み、男に 「気分わりぃから、屋上行って来る」 と冷たく言い放ち、教室を出て行った。 また、教室に賑やかさが戻る。  
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